散骨体験クルーズに行ってきました

船乗り場へ

散骨体験クルーズに行ってまいりました。

今回の出航は、晴海の朝潮小型船乗り場というところでした。

当日まで雨やら曇りやらで心配しておりましたが、当日は快晴。

道路を挟んで向かい側にあるトリトンスクエアという商業ビルの駐車場に車を停めて、船乗り場に向かいました。

出迎えくれた船はこんな感じ。

LENNONと印字されていたり、船内でimagineが流れたり、故人役でもある船長はビートルズファンのようです。

出航

出航すると、両脇に聳えるビル群を抜けて、フジテレビやアクアラインを遠目に見ながら船は進みます。出航からすぐにデッキに上がれば、照りつく暑さはありましたが風が強くとても気持ちよかったです。レインボーブリッジもくぐり、羽田空港第2ターミナルや埠頭・コンテナ置き場を過ぎると散骨場に到着。出航から30-40分ほどでした。

散骨式

船内に戻り、散骨式が開幕です。船尾へ出て遺骨(を模した食塩)の入った袋を受け取ると、海に散骨します。散骨が終わると遺骨袋をも海に投げ入れ、ボックスに入った茎が除かれた花を海面に献げます。遺骨袋は水に溶けるので安心です。

正直茶色い海面にやや抵抗を感じました。海洋散骨は晴海だけでなく葉山や和歌山などからも出航をしていて、自然に囲まれた海に散骨したいニーズにも応えられるようでした。静岡からの出航では富士山が見下ろす海で散骨することができるので人気だとのことでした。

散骨を終えた人は、そのままデッキに上がって全ての参列者が散骨を終えるのを待ちます。不思議なことですが、デッキに上がると風がぴたりと止みました。船の揺れはやや軽減されましたが、強い日差しに送られる熱を散らせなくなり、これが真夏だったらと思うと、高齢の方や小さいお子さんには少ししんどいかなと思いました。散骨の時期も選んだ方が良さそうですね。

すべての組の散骨が終わると、デッキに取り付けられた鐘を鳴らして黙祷し、散骨場を円で囲うように何周も旋回をし故人を供養しました。

黙祷の鐘を鳴らす

散骨を終えて

船内に戻ると散骨についての説明が始まりました。散骨の場所や環境に配慮すれば違法なものではないこと、何十年もの歴史があること、様々な沖で行われていること、色々なプランがあることなどのレクチャーでした。

プランは、①チャーター散骨②合同散骨③代行散骨の三つです。

①チャーター散骨は船を貸切って散骨をするプランです。誰に気兼ねすることなく、自由に過ごすことができます。船上でお別れ会を開いて飲み食いしたり、楽器演奏や様々な演出を施すことができるそうです。

②合同散骨は、一つの船に各故人の親族が乗り合わせ散骨を行うプランです。その際、船内はボックス席となり、ある程度のプライベートが確保されるとのことでした。

③代行散骨は親族が乗り合わせることなく、海洋散骨の業者に散骨をお任せするプランです。

費用は、①で30-40万、②で20万くらい、③で8万くらい

全てを散骨するのではなく、分骨をして手元供養したり、手元供養の方法も、骨壷に入れたり、ペンダントに入れたり、遺骨から抽出した炭素成分でダイヤモンドを作ったりと様々です。骨壷も鉄製の重みのあるものから、木製のものまであります。木製骨壷は、例えば残された配偶者の方が亡くなられたときに一緒に棺に入れて火葬ができます。子供の代になってまで遺骨を残したくないけれど、自分(故人の配偶者)が死ぬまでは側に置いておきたい希望がある場合に選ばれる方が多いようです。

このような体験をすると、自分が亡くなった時のことや残された家族や大切な人のこと、ひいては亡くなったときを想像して今をどう生きるかというところまで考えるきっかけになるので貴重な時間になりますよね。