法定後見のご利用ガイド⑦ー定期報告ー
●はじめに
「初回報告が無事に終わり、各種機関への手続きも済みました。後見人は定期的に裁判所に報告をしなければいけないと聞きましたが、具体的にどのようなことをするのでしょうか」
後見人には定期的に家庭裁判所へ本人の様子や財産について報告をする義務があります。今回は、その定期報告について解説していきます。
●定期報告
定期報告は基本的に1年に1回家庭裁判所に対して行います。
その他に家庭裁判所から指示があった場合は、速やかにその指示に従い報告をしなければなりません。
定期報告の際に提出する書類は次に示す後見事務に関する報告書になります。
・後見等事務報告書
・財産目録
・収支状況報告書
これらの報告書の書式は家庭裁判のホームページからダウンロード可能です。
提出する方法は家庭裁判の窓口に持参するか郵送になります。
後で家庭裁判から問い合わせがある場合に備えて、提出する書類のコピーをとっておくようにするとよいです。
後見等事務報告書
前回の報告から本人の生活状況と財産状況に変化があったかどうかについて報告をするものです。
生活状況とは、住所や居所の変更や健康状態・生活環境の変化などです。
財産状況とは、施設へ入居したり不動産を売却したりした場合の定期的な収支の変化や大きな額の臨時収入や臨時支出などです。
財産目録
預貯金・不動産・有価証券・保険契約等、前回の報告を含む現在の財産内容を記載します。前回から変更がある項目については別紙を作成して、資料を添付します。
収支状況報告書
1年間の収支状況について記載します。
東京家庭裁判所の場合は、裁判所に求められた場合のみ提出します。
●定期報告と一緒に済ましてしまうとよいもの
後見人の報酬は、後見人が都度家庭裁判に報酬付与の申立てをすることで支払われます。報酬付与の申立ては基本的に1年に1回が多いので、定期報告のタイミングで一緒に申立てをしてしまうと効率的です。
報酬付与の申立てについてはこちら。
●まとめ
・後見人は基本的に1年に1回家庭裁判所に定期報告を行う
・書類は、後見等事務報告書、財産目録、収支状況報告書である
・報酬付与の申立てを一緒に済ませてしまうと効率的である。