自筆証書遺言の信憑性を高める工夫
Q.「自筆証書遺言には、様々なリスクがあると聞いたけれど、少しでも遺言の信憑性を高めるためにできることってありますか」
A. 遺言書と一緒に信憑性を高める書類や物品を保管しておくと良いです。
●はじめに
遺言書の種類の記事で、遺言を速やかにかつ確実に実現するためには、公正証書遺言がおすすめですと解説しました。
というのも、公正証書遺言では公証人と証人によるお墨付きをもらえる一方で、自筆証書遺言では、本当にこの遺言書が本人の意思によって書かれたもなのか、判断能力は十分ではなかったのではないか、という疑義が生じる隙が生じるからでした。
それでも、様々な事情から、自筆証書遺言で作成したいという方もいらっしゃいます。
そこで今回は、自筆証書遺言の作成において、少しでも 信憑性を高める工夫をご紹介します。
●自筆証書遺言の信憑性を高めるの方法
・筆跡を比較できる文書を一緒に保管しておく
・印鑑登録証明書を一緒に保管しておく
・遺言書の作成状況を録画する
遺言書が遺言者自身で書かれたのか怪しい際に、場合によって筆跡鑑定に出されることがあります。そんな時に、遺言者自身が自分で書いた日付と氏名が記された文書が一緒に保管されていると、比較対象があるので、自筆した説得力が増します。
印鑑登録証明書は、本人確認の書類としてよく用いられる書類です。これも一緒に保管しておくと信憑性が増します。
遺言書の作成状況を録画しておくと、ご自分で書いたことが映像として残るので、有力な証拠になります。特別方式の遺言書作成でも、遺言者の意思や判断能力を担保するために作成の様子を録画しておくことがあります。
●まとめ
・自筆証書遺言でも遺言書の信憑性を少しでも高める方法がある。
・筆跡を比較できる文書や印鑑登録証明書を遺言書と一緒に保管するとよい。
・遺言書を作成している様子を録画しておくのも有力な証拠になる場合がある。