検認とは②ー手続きの流れー

●検認の流れについて

前回の記事では検認とはどのような手続きなのかについて解説しました。

今回の記事では具体的な手続きの流れやどのくらいの費用や期間がかかるのかについて解説していきたいと思います。

流れについては以下の通りです。

・遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に検認の申立てを行う

・申立人と全ての相続人に対して裁判所から検認を行う日(検認期日)について通知が届く

・検認期日に、裁判所に申立人が遺言書を提出し、出席した相続人立会いのもとで、遺言書を開封し、検認を行う

・裁判所が遺言書の現状について確認し、「検認調書」にまとめる

●補足事項

申立は遺言書を保管していた人又は遺言書を見つけた相続人によって行います。

検認期日の立会いについては、申立人は必ず出席し、相続人は必ずしも出席する必要はありません。

●費用について

申立費用として、遺言書1通につき収入印紙800円分がかかります。連絡用の郵便切手も必要になります。

●必要書類について

申立書と添付書類が必要になります。

標準的な添付書類は以下の通りです。

・遺言者の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している者がいる場合、その者の出生児から死亡時までの全ての戸  籍(除籍・改製原戸籍)謄本

この他ケースに応じて追加の書類が必要になる場合があります。

●期間について

検認の申立てをしてからおよそ一ヶ月程度で検認手続きは完了します。ただし、戸籍謄本の収集等申立ての準備を含めると、準備を始めてから2ヶ月程度はかかると見込んでおくとよいでしょう。

●検認済証明書の発行

検認の手続き終了後は、申立人または相続人などが裁判所に「検認済証明書」の発行を申請します。*遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要です。

そして、その後は、これを金融機関や法務局等に提示するなどして、遺言執行を進めていくことになるわけです。

●まとめ

・検認の手続きは申立人が家庭裁判所に申請をして、申立人と相続人の立会いのもとで行う

・申立ての費用は収入印紙800円分と連絡用の郵便切手

・必要書類は、基本的に申立書に遺言者や相続人全員の戸籍謄本を添付する

・検認手続き自体は1ヶ月ほどで完了するが、それまでの準備を含めると2ヶ月ほどを見込んでおく

・その後の相続手続きのために検認済証明書の発行を行う

このように、検認の手続きは手間暇がかかる手続きです。残された方たちに負担をかけたくない、遺言の執行手続きを速やかに確実に行いたい場合は、検認手続きが不要な公正証書遺言の作成をおすすめします。