検認とは①ー遺言書の開封ー

●遺言書を見つけたら検認の手続きが必要

あなたがもし自分の親がお亡くなりになった後日、タンスから遺言書と書いてある封書が出てきたらどうしますか?

何が書いてあるんだろうと気軽に開けてみてはいけません。遺言書を見つけたら必ず検認という手続きを取らなければならないからです。

●検認を怠ると罰則が課せられる

検認について、民法にはこう書いてあります。

・遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

・前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。

・封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない

(民法:1004条)

要するに、遺言書を保管している人や遺言書を発見した人は必ず検認の手続きをとってください、封がしてある場合は勝手に開けたりしないでくださいね、ということです。ちなみに、公正証書遺言や遺言保管制度を利用している自筆証書遺言についてはこの手続きが必要ありません。

また、民法に

・前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

(民法:1005条)

と書いてある通り、検認の手続きを怠ると罰則が課せられるということで、なかなか恐ろしいですよね。

そこで、前置きが長くなりましたが、今回は検認について解説していこうと思います。

●検認とは何か

検認とは、簡単にいうと、相続人に対して遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の偽造や変造を防止するために取られる証拠保全の手続きのことです。

以下のことをチェックします。

・遺言書の形状

・追加したり削除したり等訂正の状態

・日付や署名・印

つまり、検認の日における遺言書の現状を確認しますということですね。なので、検認はあくまでも証拠保全にとどまり、その遺言書が有効か無効かを判断する手続きではありません。検認を受けからといって、その遺言書は有効ですといえるわけではないということです。

次回の記事では、検認とは具体的にどのような流れで進んでいくのかを解説していきたいと思います。